こんにちは、なかもず松浦歯科・矯正歯科院長の松浦です。
前回は、なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田による妊娠時と口腔内環境というテーマでお話をさせていただきました。今回は、妊娠した時に歯科治療を受ける上で、皆さんが気になることについてお答えしていこうと思います。
妊娠が判明してから、お父さんお母さんともに喜んでいると思います。妊娠してからは様々なことに注意して生活していると思います。風邪をひかないように、赤ちゃんのためにたくさん栄養を摂ったりと。意外と忘れがちなのは、お母さんが虫歯にならないようにするということです。もし、虫歯になってしまったらどうすればいいかをお話しします。
妊娠期の歯の治療について
妊娠してから歯の治療に来られる方はたくさんいます。治療については、安定期に入ってからは可能です。安定期は第16週以降となります。安定期より前は胎児の様々な器官が作られている時です。身体の臓器や形などが作られているので、一般的にはその間は控えたほうがいいです。
ただし、お母さんの身体状態や治療内容によっては治療が可能です。まずは産婦人科の先生に相談していただき、歯科を受診していただくことをお勧めします。受診の際にはさらに、妊娠していることだけでなく、今が何週目か、お身体の状態、産婦人科の先生の話をきちんと伝えてください。
虫歯治療について
虫歯治療の際、虫歯を削った穴に樹脂を埋めて治療します。一時、この樹脂が危険であるという話がでました。しかしながら、研究が進みまして、この樹脂の安全性が示されました。お母さんにとってもお腹の赤ちゃんにとっても問題はありません。金属の詰め物や被せ物についても同様です。ご安心ください。
レントゲン写真撮影について
実際に治療を始めた際、歯の治療をする上で重要なのは診断となります。診断する上で必要なのはレントゲン写真撮影です。お腹に赤ちゃんがいると、レントゲン撮影に不安を感じるお母さんは多いと思います。前にブログにてお話をしましたが、レントゲン写真撮影にてつかう放射線は自然界からいつも浴びている放射線量に比べると微量となります。
また、歯科で使うレントゲン写真撮影は赤ちゃんがいるお腹からは離れていますので、赤ちゃんへの影響はありません。さらに、防護エプロンを着けての撮影となりますので、問題ありません。しかしながら、最小限にとどめるべきであるのは間違いありません。レントゲン写真は診断において非常に重要です。これにより治療計画を立てますので、いつでもご相談ください。
局所麻酔について
歯科治療において、痛みが出た場合に用いるのは局所麻酔です。注射についても赤ちゃんに影響があるのではないかと不安に思われているお母さんも多いと思います。歯科治療で用いる局所麻酔薬ですが、妊娠中に用いてもお腹の中の赤ちゃんには影響はありません。注射薬はお口の中だけでとどまっている成分が入っていますので、全身にお薬が回ることはありません。
また、痛みを我慢することはストレスとなりますので、よくありません。特に安定期に入られたお母さんは局所麻酔を使用したほうが良いでしょう。
笑気ガスの使用について
笑気ガスを用いると恐怖心や不快感を軽減し、リラックスした状態となります。歯科治療に対して恐怖がある患者さんによく用いられます。
このガスは妊娠初期に用いた場合に胎児に奇形作用を催すという報告がありますので、使用できません。
歯の根っこの治療について
歯の根管治療では、根管の中をきれいに掃除してごく微量のお薬を用います。薬剤は根管の中にとどまるようにいれます。また、歯にはフタをしますので、口腔内に薬剤が漏れることはありません。まれに揮発性の薬剤を用いることがあり、一部が骨の中に浸透することもありますが、ごく微量ですのでお腹の赤ちゃんには影響はないと言われていますのでご安心ください。
飲み薬について
痛み止めや抗生物質などの飲み薬は、基本的には処方はしないです。しかし、どうしても必要と判断した場合には、お腹の赤ちゃんに影響が最小限となるように、影響の小さなお薬を選びまして最小限の量を処方することがあります。
抜歯について
安定期に入れば問題ありません。抜歯の際には局所麻酔を使います。また、抜歯後には痛み止めや抗生物質を用いることがありますが、前述の通り赤ちゃんに対して最小限の影響となるように処方します。
できれば抜歯しないほうが良いですが、抜歯しないと膿が残ったり、細菌に感染してしまう場合もあります。お母さんや赤ちゃんへの影響が大きい場合もあります。ご相談ください。
つわりと歯肉炎
最後に、妊婦さんにつきものなのが、つわりです。つわりの際に歯を磨くことができない方は非常に多いです。歯を磨かないと口の中が粘っこくなり、歯茎が腫れてきます。また、血が出ることもあります。
妊娠すると、女性ホルモンの量が変化してきます。唾液が減少することがあります。また、つわりにより歯を磨くことができなくなったり、小分けの食事となり、口腔内の衛生状態が悪くなります。そうなると、虫歯になりやすくなったり、歯周病
知覚過敏などを発症する恐れがあります。
大変だとは思いますが、うがいで食べかすを取り除くようにしましょう。落ち着いた時間に歯磨きをしてみましょう。
歯磨きができなくなると汚れが溜まり、歯茎が腫れたり出血したりします。出来る限り頑張ってきれいにしていただき、腫れたり傷んだり出血した際には、早めに受診されるようにしてください。
なかもず松浦歯科・矯正歯科では、妊娠されたお母さんへの診療にも対応しております。お口の中でお困りの際は、まずはかかりつけの産婦人科医にご相談ください。そして、歯科受診を勧められた際には、早めにお越しいただければと思います。
口腔内の状態を良好にし、出産に備えていただきたいと思います。