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高血圧と歯科診療

こんにちは、なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田です。

10月も中旬となり、かなり涼しくなってまいりました。今夏は猛暑で大変でしたね。そしてコロナ禍により、マスク着用が必須であったため、今までの夏とは比べ物にならない大変な暑さを経験致しました。
これから、秋冬を迎えます。インフルエンザの流行を迎える時期となります。新型コロナウイルス感染症も猛威を振るう可能性もありますので、皆さんくれぐれも感染症予防対策を万全にしてもらいたいと思います。

さて、今回は血圧と歯科診療について、お話をしたいと思います。

血圧について


皆さん、普段から血圧は測っていますか?

血圧とは、心臓の拍動に合わせて血液が押し出されますが、その圧力のことを血圧と言います。若いうちは、血管の弾力が豊かであるので、大きな力で血液が押し流されても、血管が柔軟に広がることで血圧はそれほど高くなりません。

しかし、年齢を重ねていくうちに血管は硬くなってきますので、強い血流が血管に当たった時に血管が膨らむことができなくなります。そして、その強い血流がそのまま体の隅々まで届いてしまうのです。それが
高血圧
なのです。

血液の届く最後のは、毛細血管となります。毛細血管は細いので脆く、強い血流に耐えられなくなってしまいます。耐えられなくなると血管が破れてしまい出血を起こします。例えば、脳の中であれば脳内出血であり、脳の表面にあるくも膜の下であればくも膜下出血となります。一度は聞いたことがあるかとは思います。

血圧の正常値

血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧というものがあります。いわゆる、最高血圧と最低血圧というものです。
心臓は縮んだり広がったりします。ポンプのようなものです。そして、その差を使って血液を全身に送り出します。縮んだり広がったりするので、血圧もその時に応じて変化します。

例えるならば、自転車の空気入れです。タイヤに空気をいれるとき、空気入れを押しますよね。その時、勢い良く空気がタイヤに入ります。それが人間で言う
収縮期血圧
です。逆に空気入れを引く時が人間で言う 
拡張期血圧
となります。

覚えてもらいたいのは、血圧は135mmHg/85mmHgが要注意ラインとなります。

そして、
140mmHg/90mmHg
より高くなると、
高血圧
と診断されます。高血圧も数値によってⅠ度からⅢ度に分類されます。Ⅲ度高血圧ですと、歯科治療は難しくなります。

高血圧の症状

高血圧は
無症状のことが多い
のはご存知でしょうか。ですので、測定しないと気が付かないことが多いです。別の病気で病院に行った時や、健康診断などで知ることが多いのが高血圧です。

ただ、急激に血圧が上昇すると、頭痛、めまい、吐き気、視力低下などを生じることがあります。こうなると危険ですので、安静にして病院で診察を受けてください。

高血圧緊急症

聞き馴染みのない名前だとおもいます。しかしながら、名前から分かる通り緊急事態を示す高血圧となります。

血圧が
180mmHg/100mmHgを超えた状態が高血圧緊急症
です。血圧が高度に上昇することによって、脳、心臓、腎臓、血管に対して何かしらの急性の障害をもたらす可能性が非常に高くなります。

血圧が高くなったからといって障害が出るわけではないですが、その可能性が非常に高くなります。このような状態であれば、すぐに内科を受診してください。基本は入院による血圧コントロールとなります。

高血圧と合併症

先ほど話しましたが、高血圧は無症状であることが多いので、気が付きません。しかしながら、高血圧を放置しておくと別の合併症を引き起こすことがあります。

代表的なものが、脳卒中です。
脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血
などを引き起こす事があり、命に関わることもあります。
また、心筋梗塞や狭心症、動脈硬化、慢性腎臓病などを引き起こします。

高血圧の治療

高血圧は、内科的治療と生活習慣の改善が治療の基本となります。

人間の身体には血圧をコントロールする部分はたくさんあり、それぞれの部分をターゲットにした薬があります。
また、生活習慣の改善により血圧コントロールを良好にすることは可能です。

歯科治療と高血圧

歯科治療では、歯を削ったり歯茎を掃除したりと色んなことをしますが、痛みを伴う事が多いのが特徴です。また、自分の口の中は自分では見えないので不安感が強くなりがちです。

ですので、緊張状態で治療を受けることが多く、ストレスが強くかかります。
そうなりますと、血圧が高くなったり脈拍が増えたりしがちです。

特に、高血圧をお持ちの方は急上昇しやすくなります。一気に血圧が高くなると危険な場合がありますので、必ず受付でご記入頂きます問診票にて高血圧を持っている旨を伝えてください。

治療では、血圧を測定しながら治療致します。万が一、血圧が高くなった場合は、治療を中断することもあります。

また、血圧によって使用する薬剤も変わってきます。血圧上昇を防ぐ薬剤を用いることができる場合があります。

歯肉炎と高血圧

高血圧で病院にかかられている方は、血圧を下げる薬が処方されていると思います。

いわゆる、降圧剤と呼ばれるお薬です。血圧を下げる薬はたくさんの種類があります。体の中で薬が作用する場所がそれぞれ違っているのです。その方に合わせた降圧剤を医師が処方しているのですが、降圧剤の中には
副作用として歯茎が腫れてしまう
ものがあります。

歯茎がすごく腫れてしまって来院される患者さんも多く、大半の方は高血圧の持病をお持ちで薬を飲んでいます。この状態を薬剤性歯肉炎と言います。特徴としては、歯茎がボコボコと腫れてきます。特に歯と歯の間の歯茎が腫れます。痛みはあまり大きく無いのが特徴です。

その場合、内科のかかりつけ担当医に私たち歯科医師からお手紙を送りします。
そして、降圧剤の種類の変更を検討していただくことを伝えます。
降圧剤が変更されると、歯茎の腫れは落ち着いてきます。そして元に戻ることも多いです。

病気と血圧

高血圧以外にも、様々な病気があります。

別の病気を持っていて血圧は大丈夫と思っていても、いざ歯科治療を行なうと血圧が急に上がるということもよくあります。病気によっては、一度かかりつけ医に相談させてもらってから治療を行わなければならない場合もあります。

どんな小さな病気でも結構ですので、必ず歯科医師に伝えるようにして下さい。

患者さんにお願い

①持病をお持ちの方は、必ず受付での問診票に記入して歯科医師に伝えて下さい
②高血圧の方は、血圧がかなり高い日は来院前に電話にてご相談下さい。
③お薬を飲んでいる方は、お薬手帳をお持ちください。

私たち歯科医師は、患者さんからの情報を元に治療計画を立てて治療を行います。
正しい情報が適切な治療、安全な治療にへと繋がりますので、皆さまのご協力とご理解をお願い致します。

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