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顎関節症の症状・原因・治療法

顎関節症を知っていますか?

なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田です。

若い女性に多く発症し、特に10代から40代の女性に多いのが特徴です。
しかしながら、若い女性に起こりやすいというだけであり、誰にでも起こりうる病気なのです。

今回は顎関節症の症状・原因・治療法について解説します。

僕は、バイク通勤をしております。ですので、歩く機会がめっきり減ってしまいました。毎日、院内でウロウロとしているだけでして、1日で6000歩ほどしか歩いていません。以前勤務していた大学病院は広大な敷地でしたので、毎日毎日、せっせと18000歩から20000歩ほど毎日歩いていました。それと比べると歩数はかなり減りました。

そこで、大阪に引っ越してくるときに、歩数が減ることを見越して、住む部屋を4階にして、階段で上がらなければならないようにしました。不便ですが、毎日最低でも2往復はしますので、足腰は丈夫になった気がします(笑)

歩くということは非常に大切なのですが、なかなか機会がないと歩かないと思います。そこで、昨年の夏から歩くためのスマホゲームを始めました。位置情報ゲームの『ドラゴンクエストウォーク』というものです。街を歩いて歩数を稼ぎ、たくさんの魔物をやっつけて歩数に合わせて強くしていくというゲームです。

お陰で、普段の歩数プラス6000歩ほどになりました。真夏の暑い時期ですとキツイでが、今は快適に散歩出来ています。
現実世界の地図上を移動していき、様々なミッションをクリアしていきます。ミッション先には、なかもず松浦歯科・矯正歯科もありますよ。ドラクエウォークをされているかた、是非ともなかもず松浦歯科・矯正歯科が行き先になったら教えてくださいね。

さて、前置きの話とは関係ありませんが、今回は顎関節症についてお話をしたいと思います。

1.顎関節症とは

顎関節症と書いて『がくかんせつしょう』といいます。顎に何らかの障害が起こり、痛みなどの症状を引き起こす疾患です。外から見る限りでは全くわかりません。それは、顎の内部などで引き起こされているからなのです。

2.顎関節症の好発年齢

若い女性に多く発症し、特に10代から40代の女性に多いのが特徴です。しかしながら、若い女性に起こりやすいというだけであり、誰にでも起こりうる病気なのです。

3.顎関節症の症状

・側頭部から下顎の側面にかけてのどこかに痛みが出る
・口の開閉時に『カクッ』『ガリッ』という音がする
・口が開かなくなる
・口が閉まらなくなる
・あごが左右どちからに動かない

4.顎関節症の原因

①筋肉

顔の周りにはたくさんの筋肉があります。筋肉は主に分けると2つです。表情を作り上げる表情筋と噛むことに使う咀嚼筋というものです。
このうち、咀嚼筋の痛みによって生じることがあります。簡単に説明すると、咀嚼筋の筋肉痛のようなもので顎に痛みが出るということです。

②顎関節

顎関節は、下顎(下顎骨)と上顎(頭蓋骨)との間にある関節です。耳の穴の前にあり、顎を動かすと凹んだり膨らんだりするところです。ご自身の指でも感じることができます。関節には骨と骨の間に軟骨という柔らかいコリコリしたものがあり、骨同士が直接擦り合わないようにしています。その軟骨の場所がおかしくなったり、すり減ったりすることによって痛みを起こす場合があります。

③歯ぎしり

寝ている間に歯ぎしりをしている方は結構います。歯ぎしりを長時間していると、噛む筋肉がずっと緊張している状態となり、①にて書いたように筋肉痛のような状態を引き起こします。
朝起きた時に、何故か顎が疲れているという方は要注意です。

④悪習癖

歯ぎしりもそうなのですが、悪い癖がついていると顎関節症になりやすくなります。例えば、食いしばりです。食いしばりはストレスが大きく関係しています。ストレスが大きくなると、知らず知らずのうちに歯を食いしばることが多くなります。また、歯をカチカチを常に噛むという癖もあります。正常ですと、何もしていない時は上下の歯は噛みません。2〜3ミリほど浮かせているのが正常です。食いしばりや歯ぎしり、カチカチと噛むと噛む筋肉が疲れてきて顎関節症を引き起こします。

⑤その他

他には、生まれつきの先天性や他の病気の症状など、様々な要因が考えられます。

5.顎関節症の種類

顎関節症は、症状によって分類されます。

①Ⅰ型(咀嚼筋痛障害)

咀嚼筋の炎症で起こっているものです。
そして、顎関節には特に異常が認められないものです。

②Ⅱ型(顎関節痛障害)

顎関節の付近にある組織に炎症が起こっているものです。
顎関節には特に異常は認められません。

③Ⅲa型(関節円板障害)

顎関節にある関節円板に障害があり、顎の開閉に問題がないものです。
主に口の開閉時に「カクッ」という音がします。

④Ⅲb型(関節円板障害)

顎関節にある関節円板に障害があり、口が開かなかったり、閉じることができないものです。

⑤Ⅳ型(変形性顎関節症)

顎関節がすり減ったり、変形してしまったりと、本来の形から変わってしまっているものです。
主に口の開閉時に「ガリッ」という音がすることが多いです。

6.顎関節症の治療法

①薬物療法

基本的には痛み止めを飲んでもらいます。そして、安静にしていることによって回復することがあります。また、筋肉の緊張をほぐす薬を飲んでもらう場合もあります。

②マウスピース

上顎の歯列にマウスピースをしてもらって、寝てもらいます。マウスピースを装着することによって、顎は下にさがります。そうすることによって、顎関節に隙間を作ります。それで顎を休ませるということです。また、噛む筋肉も休ませることが出来ます。
また、歯ぎしりが習慣化している方ですと、歯の摩耗防止にもつながります。

③レーザー療法

患部にレーザーを当てることにより、筋肉の血行を良くしたり、老廃物を流す作用があります。そうすることにより、症状が和らぐことがあります。

④リハビリテーション

筋肉をマッサージしたり、筋肉をトレーニングすることによって痛みを和らげたり、顎関節症になりにくくします。

⑤内視鏡手術

顎関節がくっついてしまったなど、薬やマウスピースで治せない時に用います。内視鏡で手術することによって、強制的に関節をはがします。

⑥手術

内視鏡は狭い範囲しか見えませんので、広く見たい時には手術を行います。内視鏡手術も手術も、顔のシワに合わせてメスを入れますので、傷口は目立ちません。

⑤と⑥については、病院の歯科口腔外科で行なっておりますので、ご希望の病院をご紹介致します。
前述しました分類のどれに当てはまるかによって、治療方法が異なります。

Nd:Yagレーザー

7.ご自身での対応

急激に痛みを感じる時は、冷たいもので冷やすと楽になります。常温の水をタオルに浸してしっかりと絞って下さい。氷やアイスノンなどは冷たすぎるので使用しないでください。長時間冷やすことは患部の血行を悪くしますので避けてください。10分ほど冷やして痛みが引いたら、口を開け閉めしてください。その際、無理はしないようにしてください。

急激な痛みはないけど、口を開け閉めしたときに少し痛いという時は、逆に温めてください。火傷をしない程度の温度(お風呂より少し温かいくらい)のお湯でタオルを濡らして、しっかり絞りましょう。そして患部を温めて血行を良くすると楽になります。この時も、無理に口の開け閉めをしないようにしましょう。

8.歯科医師の診療範囲

顎については、医師ではなく歯科医師が診察致します。意外かもしれませんが、歯科医師も医師のような手術をすることは法律上可能なのです。実際、口腔外科を専門とする歯科医師はたくさんの手術を行なっております。

歯科医師は顎から下の顎顔面領域と口腔内を専門としている外科医なのです。僕も歯科医師を目指すまでは知りませんでした。

虫歯だけでなく、顎に問題を抱えていらっしゃる方は、是非一度ご相談ください。なかもず松浦歯科・矯正歯科では、マウスピースも作成することが出来ます。型取りさせていただいてから1週間程でお渡しすることは可能です。もちろん、保険診療となりますので、是非ともご相談ください。

著者

なかもず松浦歯科・矯正歯科
歯科医師 後藤田善士

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