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なかもず・中百舌鳥の歯科・歯医者

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歯の破折の原因と治療について

こんにちは、なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田です。
3月になりましたね。

3月1日より緊急事態宣言が解除となりました。
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数もかなり減ってきました。落ち着いて来た時、人は油断します。減ってきた時こそ、しっかりと感染予防対策をしていただき、コロナ収束に向けて頑張っていく必要があります。

思えば、昨年から我慢の連続であったと思います。
1年以上も我慢したんだから、あともうひと踏ん張り、一緒に頑張っていきましょう。

さて、今日は歯の破折をテーマにお話をしたいと思います。

歯の破折とは

歯の破折とは、その名の通り歯が折れてしまうことです。そして、折れる場所によって名前が変わります。歯の見えている白い部分が折れる『歯冠破折』と歯の根っこの部分が折れる『歯根破折』、両方が折れてしまう『歯冠歯根破折』があります。折れる原因は色々とあります。

外傷と破折

破折は外傷によって起こることは多いです。子供と大人とでは破折の理由は異なります。

1.子供の破折

子供はよく歯を折ります。乳歯の時期に多いのは転倒と転落です。倒れてしまう、壁にぶつかるなどです。多いのは走ったり歩いていたりして顔から転倒してしまうことです。また、椅子から転落するということもよくあります。

以前にブログでもお伝えしましたが、怪我をした場合は頭を打っていないかをしっかり確かめてください。こどもの頭蓋骨は3歳頃まで完全に塞がっていません。頭痛や吐き気がある場合は、迷わずに119番へ通報してください。

2.大人の破折

今回は、ここをメインにお話をしたいと思います。

大人になると転倒や転落をすることは少なくなります。転倒したとしても受け身を取ったり、顔面から転倒するのを無意識の内に避けるようになります。これは、子供と違い、脳が発達したおかげです。

その代わりに増えるのが衝突です。歩いていてぶつかるというのもあると思いますが、多いのは交通事故です。歩行者として歩いていて車と衝突する、バイクや自動車を運転して衝突するというように、衝突が原因というのが多いです。

また、ケンカでの破折も多いです。こどものケンカであれば、力が弱いので歯が折れることは稀ですが、大人となりますと力も強く、殴られてしまったら歯や骨は簡単に折れてしまいます。

3.高齢者の破折

歳を重ねてきますと足腰が弱ってきます。その際、杖をついたりして歩行したり、歩幅を小さくしてゆっくりと歩いたりします。そうなると、階段や滑りやすい店内などで転倒することが多くなります。

歯の破折だけで済めば良いですが、転倒することによって骨折をしてしまうことが多いのです。加齢により骨密度は低下していると骨折しやすくなるのです。一度骨折してしまうと、寝たきりになってしまうことも多々あります。

健康で長生きするためには、足腰を鍛えて転倒しにくい身体を作ることが大切です。また、杖を過信しすぎないようにしてください。足元が滑りやすい場所では、特に注意が必要です。

子供と同じく、高齢者は転倒により歯の破折を起こしやすくなってしまいます。

外傷以外の破折理由

外傷でなくても歯が折れてしまうことがあります。それは、神経の治療をしてしまった場合です。

虫歯がひどくなってしまい、虫歯の穴が歯の神経まで到達してしまった場合、残念ですが神経を取り除く治療である『根管治療』を行う必要があります。一度細菌に感染してしまった神経は、薬を飲んだり注射をしたりしても元に戻ることができません。

そのまま放置しておくと、細菌は歯の土台の骨にまで進み、やがて骨に炎症を起こしてしまいます。また、骨を溶かして歯の根っこの先に膿みだまりを作ってしまいます。そうなると、噛んだ時に痛みが生じたり、違和感を感じることとなります。そうならないように、歯の神経を取り除いて無菌化を図り、神経があった空洞を樹脂で埋めてしまいます。これが根管治療です。

歯の神経のある場所には血管も走っています。そこから歯に栄養分を与えるのですが、神経を取ってしまいますと栄養はとどきません。そうなると、枯れた枝のようになります。少しの力でポキッと折れてしまいやすくなってしまうのです。

『先生、歯が欠けてしまったので診てください』と来られる患者さんの大半は、根管治療をした歯の破折です。歯の神経の治療をすると、このような状況が生じる可能性があるのです。

破折の治療について

歯の喪失の原因の第3位が歯の破折です。破折してしまうと抜歯しか対応がない場合があるのです。
歯を残せるかどうかは、破折線の位置にかかっているのです。どの部分で歯がおれてしまっているのか、縦と横のどちらに折れたのか、その位置と折れ方によって歯を残せるかどうかが決まります。無理に歯を残してしまうと、折れた部分から細菌が感染してしまい、大変なことになる場合があります。

歯が完全に折れてしまった場合は、洗わずにそのままお持ちください。歯が抜けてしまった場合も同じですが、牛乳に漬けてご持参ください。汚いからと、ティッシュで拭いたりしないようにしてください。そのままで結構です。洗浄や消毒は歯科医師が行います。

破折しないようにするためには

転倒や事故は、いつどこでやってくるかはわかりません。予知することは不可能ですが、日常生活で危険が及びそうな場所は至るところにありますので、予測することは可能です。そして、非常に難しいですが、ひとつだけ言えることがあります。

『歯の神経は出来るだけとらない』ということです。

すなわち、日頃から虫歯にならないように歯磨きを頑張ってもらうのが一番です。生きている歯には、しなりがあります。生きている木の枝と同じです。多少の力がかかっても、しなってくれるのです。そうすると、歯にかかった衝撃が分散されて、折れにくくなります。
実は虫歯と破折には密接な関係があるというわけなのです。

なかもず松浦歯科・矯正歯科では、虫歯の早期発見と早期治療のための検診を行っております。虫歯のチェック、歯石除去、歯のクリーニングも行っております。
また、できるだけ歯の神経を残すための治療を行っております。ドックベストセメントを利用して神経を残すことが可能な場合もございます。

ご不明な点がありましたら、いつでもご相談ください。

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