こんにちは、なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田です。
2021年も9月になりました。
朝晩も涼しくなってきて、エアコン無しでも十分に眠れるようになりました。
ただ、季節の変わり目ですので、くれぐれも風邪をひかれないようにしてください。
さて、東京オリンピック2020も1年間の延期を経て開催されました。
開会式は入場曲はゲーム音楽、聖火の点火台は富士山と、日本らしいところが随所に見られました。王さん・長嶋さん・松井さんの聖火リレーは感動でした。
たくさんのメダルラッシュに沸いた夏となりました。
昨年の夏は自粛モードで、オリンピックどころではありませんでした。
現在もコロナウイルスの変異株が猛威をふるっています。感染予防対策をしっかりと行い、社会全体で感染を抑え込みましょう。
さて、今回は歯に関する数字についての話をしたいと思います。
歯に関するの数
世の中にはたくさんの数字が溢れていますよね。
お店に行ったら商品の値段、道を歩いてたら速度規制の標識など、私たちは様々な数字に囲まれながら生活しています。
ということで、今回から2回に分けて歯に関する数字についてお話をしたいと思います。
歯に関する数字はたくさんありますが、今回は歯科医院で働く人の数字について、お話をしてみたいと思います。
歯科医師は日本に何人いるの?
医師・歯科医師・薬剤師については、2年に1度の割合で調査があるんです。最近ですと、令和2年12月31日にありました。いつ免許を取って、どのような診療科で働いているのか、どの都道府県で働いていて、どのような施設で働いているのかなど、様々な回答をします。
そこで出た結果は、厚生労働省のホームページにて公開されます。
日本にはこれだけの数の歯科医師がいるんです。
【総数】
101777人
【人口10万人あたりの数】
83.0人
この数字だけ見てもよくわからないと思います。
赤ちゃんからお年寄りまで
医師1人では約400名弱の人を担当し
歯科医師1人では約1200名を担当する
というイメージです。
このように考えると、意外と医師や歯科医師って少ない気がしませんか?
医師不足が叫ばれ、新しく2校の医学部が新設されました。
しかしながら、医師自体が少ないのは地方であり、都会では多いんです。いわゆる地域偏在が問題なのです。
また、医学部が新設されて1年で200名程度の医師が増えます。しかしながら、卒業までに6年間、それから前期研修医を2年間を行い、さらに後期研修医をするのが一般的ですので、実際に戦力となるのは新設から10年以上後と言われています。
歯科医師は過剰と言われています。しかしながら、この数を考えると果たして過剰なのでしょうか。都会にはたくさんの歯科医院がありますが、実は過疎化の進んだ地域では、歯科医院は無いのです。無医村という言葉がありますが、無歯科医村も存在するのです。
僕の後輩で、琉球大学医学部附属病院で勤めている先生がいますが、彼女はこれから離島医療に携わるそうです。離島は当然無歯科医村ですので、大学病院の歯科医師が歯科医療を支えているそうです。
大阪は歯科医師は多いの?
大阪にいる歯科医師は多そうなイメージはありません?
大阪は都会なので、総数は多いです。全国的に見ても多いのは確かです。歩いていると、すぐに歯科医院を見つけることができます。
しかしながら、人口10万人に対する歯科医師の数で見ると、意外と大阪は多くないんです。
1位:東京都
2位:徳島県
3位:福岡県
4位:岡山県
5位:広島県
まぁ、1位は東京都というのは誰もが想像できると思います。
ただ、2位から5位までにはそんなに人口が多そうな都県が入っていませんよね。
そして、大阪府はランクインしていません。
6位:大阪府
7位:新潟県
8位:長崎県
9位:北海道
10位:千葉県
ようやく大阪府が出てきました。
なぜ、このような結果になったのか?
実は歯科医師を養成する大学歯学部や歯科大学の立地、そして人口が関係しています。それでは、先程の順位に、歯学部歯科大学の数と人口を書いてみます。
1位:東京都 5校 1400万人
2位:徳島県 1校 72万人
3位:福岡県 3校 510万人
4位:岡山県 1校 190万人
5位:広島県 1校 281万人
6位:大阪府 2校 882万人
7位:新潟県 2校 222万人
8位:長崎県 1校 131万人
9位:北海道 2校 528万人
10位:千葉県 2校 627万人
歯学部があり、人口の少ない県が10万人あたりの歯科医師数が多くなる傾向があります。
10位までが、歯科医師が平均以上いる都道府県です。残りの37府県は平均以下となります。ちなみに、お隣の兵庫県や京都府は歯学部のある大学はありませんので、実は平均以下なんですね。
他の歯科専門職はどれくらいいるの?
歯科に関する国家資格取得の専門職は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の3職種となります。それぞれの人数とお仕事を見ていきましょう。
歯科衛生士は、132629人
歯科衛生士とは、歯や歯茎のクリーニングやフッ素塗布などを行う専門職です。主に虫歯予防や歯周病予防がメインとなります。他には、ホワイトニングの施術、歯科医師の診療補助や受付業務など多岐にわたります。
歯科医師よりはたくさんの人がいます。しかし、女性が多いので歯科衛生士として働いている人は実は少ないのが現状です。家庭に入ってしまっている潜在的な歯科衛生士が多いのです。というのも、少し前までは女性しかなることができなかった職業でした。歯科衛生士法に「女子」と明記されていました。
現在、男性の歯科衛生士は50名程度とのことです。
僕の後輩に男性の歯科衛生士がいます。男性の歯科衛生士に出会える確率はかなり低いので、最初は驚きました。彼は、歯科医師を目指して勉強中です。
歯科技工士は、34660人
歯科技工士は、歯科医師からの指示の下で詰め物や被せ物や入れ歯などを作る専門職です。人数が少ないために、少ない人でたくさんの歯科技工物を作っています。本当に大変なお仕事です。技工物は全て患者さん一人一人のオーダーメイドとなります。それらを手作りで作っていました。
しかし、最近ではCAD/CAMという、パソコン上で設計して機械が作り出すようになりました。手作りでなくなりつつありますが、設計は歯科技工士が行いますので、完全なオートメーションではありません。
コンピューターの時代となっても、やはり人間の力が必要となります。
歯科技工士は職人です。歯科技工士さんがいなければ、歯科治療は成り立ちません。本当に尊敬です。歯科技工士さんの処遇がもっと良くならないものかと思ってます。
そして資格職以外でも、受付や助手など、たくさんの人が歯科医療に携わっています。
新しく誕生する歯科医師
毎年、歯学部を卒業した学生が歯科医師国家試験を受験します。そして合格すると、歯科医師免許を受けることができます。
毎年、3000人前後の人が受験して、2000人前後の新しい歯科医師の卵が生まれます。3分の2しか歯科医師になれないという難関の国家試験なのです。
医師や看護師、歯科衛生士の国家試験は合格率が約90%なのですが、歯科医師国家試験の合格率は約65%と低いのです。実は歯科医師はなるのが大変な職業なのです。
今冬に第114回歯科医師国家試験が施行されました。コロナ禍の中で大変だったと思います。37.5度以上の体温があれば、即時に抗原検査を実施、陽性で症状があれば会場に入れずに受験できないという事でした。そのような中、たくさんの受験生が全国で受験したとのことです。
今春に歯科医師と歯科衛生士と歯科技工士の国家試験合格発表がありました。私の母校は、新卒での合格率が第2位と大躍進しました。後輩の頑張りが嬉しい結果となりました。やはり、母校の後輩が頑張っているのは嬉しいものです。
医師や歯科医師は、周りにはいますか?
病院や歯科医院に行けば会えますが、家族や身近な知り合いにはあまりいないと思います。医師や歯科医師は実はかなり少ないんです。
なかもず松浦歯科・矯正歯科には
なかもず松浦歯科・矯正歯科には、歯科医師は松浦院長と後藤田、そして矯正専門の歯科医師が3名、他には歯科衛生士や歯科助手、受付等多数のスタッフが在籍しております。
皆さんのお口の中の健康を守るためにチーム医療を実践し、日々精進いたしております。
それでは、次回は歯に関する数字について、お話ししたいと思います。
お楽しみに♪