糖尿病と歯医者さん |なかもず松浦歯科医院

糖尿病と歯医者さん

こんにちは、松浦歯科クリニック歯科医師の後藤田です。

今日は、糖尿病についてお話したいと思います。


生活習慣病とうい言葉を聞いたことがありますでしょうか。昔は成人病という名前でした。日々の生活習慣によって起こる病気のことです。偏った食事や運動不足などで起こります。

生活習慣病の一つとして糖尿病という病気があります。一度は耳にしたことがあると思います。皆さんのイメージとしては甘いオシッコが出る感じでしょうか。オシッコをするとアリが寄ってくるという話もありますが、甘い尿だから糖尿病というわけではありません。
糖尿病とは、血液中にある糖分がある一定の量以上となった状態を示します。血液中の糖分の事を血糖と言います。

糖尿病はどうしてなるの?

皆さんは、毎日ご飯を食べていると思います。ご飯を食べて糖分を摂取すると、その糖分は胃腸で消化されて血液中に運ばれます。そして、その血液中の糖分全身に運ばれ、生きるためのエネルギーになります。特に脳が働くためにのエネルギーは糖分のみなので、糖分は非常に重要なエネルギー源となります。


ブドウ糖が糖分のことです
インスリンが糖分を
筋肉や脳へと連れて行ってくれます

その糖分ですが、エネルギーとして使う量は決まっています。しかし、たくさん食べ過ぎてしまうと使う量以上の糖分が血液中に入ってしまいます。
そうなった時、膵臓からインスリンというホルモンが出て、糖分を筋肉の中にため込み、血液中の糖分を減らすように働きます。筋肉に貯められた糖分は、エネルギーに変換されます。

ところが、筋肉の量も決まってますので、貯められる糖分の量も決まっています。それ以上の糖分が血液中にあると、溢れる状態になります。膵臓から筋肉に貯めこむのに必要なインスリンが大量に放出されると、やがて膵臓は疲れてしまいます。そうするとインスリンの量も減ってしまうのです。また、インスリンの効き目が弱くなることもあります。そうなると血液中の糖分がどんどん増えてしまいます。この状態が糖尿病です。

糖尿病の診断基準

糖尿病は血液検査によって分かります。血液の中にどれだけ糖分があるかを測定します。それを血糖値と言います。

空腹時と食後とでは、当然食後の方が血糖値は高くなりますので、空腹時に測定するのが一般的です。

空腹時血糖値が126mg/dl以上、食後2時間での血糖値が200mg/dlであれば無条件で糖尿病と診断されます。血糖値の検査は、食後にどれくらい時間が経っているのかということが大切になります。
ちなみに、空腹時血糖が170を超えると血糖を下げるために尿中に糖分を排泄します。それが糖尿病の名前の由来と言われています。


血糖値は空腹時と食後とで
基準が違います

また、HbA1cという検査があります。2ヶ月間くらいの血糖値の平均がわかる検査です。最近では、この数値が重要となっています。
HbA1cが6.0%以上となると糖尿病が疑われ、と診断されます。

血糖値は採血した瞬間の血糖コントロールしかわかりませんが、HbA1cは過去1〜2ヶ月の血糖コントロールが分かりますので、こちらの方が重要と言われています。

糖尿病になりやすい人

こんな人は糖尿病になりやすいです。
・血縁で糖尿病の方がいる
・過去にスポーツをしていて、その頃と同じくらい食べている
・甘いジュースが大好きでよく飲んでいる
・お米やパン、お菓子が大好きである
・野菜はほとんど食べない
・外食やお弁当が多い
・運動不足である
・座り仕事である
・生活が不規則である
糖尿病は遺伝が大きく影響を与えると言われています。ですので、家族や親戚で血が繋がっている人が糖尿病を患っている場合は注意が必要です。


どか食いをすると
急激に血糖値が上がります

ペットボトル症候群

今の時代、自動販売機やコンビニなどで手軽にジュースを手に入れることができます。甘いジュースの大半には『ブドウ糖果糖液糖』と呼ばれれるものが入っています。簡単に言えば砂糖を溶かしたものです。

炭水化物の一つで、食べ物とは違い、溶けているものなので、飲んだらすぐに吸収されて血糖値が急激に上がります。特に夏の暑い日には喉が乾いてしまいますので、ついついジュースや炭酸飲料が欲しくなります。これらを常に飲み続けてしまうと、血糖の高い状態が続くこととなり糖尿病になってしまいます。最近のジュースはペットボトルに入っていることが多いので、『ペットボトル症候群』と名付けられました。

特に気をつけてもらいたい飲み物はスポーツドリンクです。喉が乾くとサラッと入っていくのでたくさん飲んでしまいます。飲みすぎには注意しましょう。

最近ですと、カロリーゼロの飲み物が増えました。その飲み物であれば安心ですが、カロリーゼロと表に書いていても、少しだけカロリーのある飲み物もあります。飲み物には必ず栄養成分表示の表がかかれていますので、その中のエネルギーと炭水化物の量を確認して下さい。食品表示基準により100ml当たり5kcal以下の場合はゼロカロリーと表示できます。注意が必要です。


とあるゼロカロリーの飲み物より
エネルギーは0ですが
炭水化物は0ではありません。

糖尿病になるとどうなるの?

血液中の糖分の量が増えてしまっても、それ自体が生命の危機になるようなことはありません。ただ糖尿病の怖いところは、合併症なのです。
血糖値が高い状態になると、様々な自覚症状が現れます。

・運動もしていないのに喉が渇いてきます。
・暑くもないのに喉が渇きます。
・水分をたくさん摂るのでトイレに行く回数が劇的に増えます。
・睡眠時にトイレに行きたくて何度も目覚める。
・疲れやすくなる。
・倦怠感に襲われる。
・食べても食べても体重が減少する。
・フラフラしてきて意識がなくなることもあります。
・息が甘い感じになります。(アセトン臭)
・尿が甘い臭いが変わった

血糖値が上がると、血液中の余分な糖分を尿として排泄するために水分を必要とします。そのため、喉が乾くのです。そしてたくさん水分を摂るために排尿の回数が大幅に増加します。
あとは、普通にたくさん食べているのに体重が大幅に減少するという自覚症状が出ます。ダイエットをしているわけでもないのに、人によっては10kg単位で減少します。

このような自覚症状が出た場合には、直ちにかかりつけ医へ相談してください。
これらの自覚症状が進むと、合併症と呼ばれる病気が現れます。


血糖が上がると多飲になり
トイレで何度も目が覚めます。
一晩に1~2度程度なら大丈夫です

糖尿病の合併症

高血糖の状態が長期間続くと、合併症と呼ばれる病気になります。高血糖よりも、高血糖が続くことによる合併症が怖いのです。

①小血管障害M

・末梢神経障害

毛細血管が詰まることにより、手足の神経の感覚がなくなってしまいます。そうすると、怪我をしても気づかないことが多く、酷くなると壊死してしまうこともあります。特に足は壊疽しやすく、足を切断してしまった人も多くいらっしゃるのが現実です。よくあるのが、手足のしびれや震え、冷え、立ちくらみ、勃起不全などです。足の指やかかとなどをお風呂に入るごとにチェックし、いつもと違う色をしていればかかりつけ医にすぐに相談してください。

足の一部分が
赤くなったり黒くなったり
いつもと違う感じなら
迷うこと無く病院へ

②糖尿病性網膜症

眼球の中の血管が詰まってしまいます。そうすると、人間の身体は不思議なもので新しい血管を作って詰まってしまった先の組織へ血液を送ろうとします。しかし、新しい血管は細くてもろいので破れることがあります。そうなると目の前が真っ赤になってしまい、失明をしてしまう恐れがあります。定期的な眼球の検診が必要となります。


目が見えにくくなったり
一部分が見えなくなったり
目の前が真っ赤になります。
すぐに救急車を呼んでください

③糖尿病性腎症

腎臓では血液をろ過して尿を作ります。ろ過しますので、血管は細くて薄いのです。そこがやられてしまい、腎臓でオシッコを作れなくなります。そうなると、血液中には老廃物がたくさん溜まってしまい、身体が機能しなくなります。そうなると、人工透析が必要となってしまいます。


腎臓が働かなくなると
血液を採りだして人工的にろ過し
再び体内に戻します

④大血管障害

糖分でドロドロになってしまった血管は詰まりやすくなります。脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞、閉鎖性動脈硬化症など、さまざまな病気を引き起こす原因となってしまいます。

脳梗塞は、どこに詰まるかが問題で、詰まった場所によっては生命の危機となります。詰まった先が言語を扱う部分になると言語障害が起こりますし、手を扱う部分となると手に麻痺が残ります。
心筋梗塞になると、心臓が働かなくなりますので、生命の危機となります。肺梗塞になると、呼吸が出来なくなり低酸素脳症や生命の危機となる場合があります。
また、血管自体が糖分によってもろくなってしまいます。それにより、動脈硬化や狭心症を引き起こすこともあります。


動脈硬化になると
血管が詰まりやすくなります
詰まったものが脳へ飛ぶと脳梗塞
心臓へ飛ぶと心筋梗塞になります

⑤感染症

血糖が高い状態が続くと、身体の免疫機能が低下します。それにより、感染症にかかりやすくなります。身近なところですと、風邪をひきやすくなったりインフルエンザにかかりやすくなります。それ以外の感染症のリスクが格段に高まります。

他にも様々な合併症があります。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。

歯科と糖尿病について

糖尿病と歯医者さんなんて関係ないと思っている人は多いと思います。しかしながら、糖尿病の研究が進み、歯科と糖尿病との関連性が認められました。

①糖尿病→歯科

糖尿病には様々な合併症があることは先程お話ししました。たくさんの合併症があるなかで、実は歯科疾患も合併症として見られます。

糖尿病の合併症はたくさんあるのですが、実は合併症の第6位は歯周病なのです。糖尿病でよく起こるのが易感染性というのがあります。血液中の糖分が多い状態が続くと、細菌やウイルスに感染しやすくなります。歯周病は歯周病菌と呼ばれる細菌感染が原因で生じる歯科疾患です。歯周病菌に侵された歯の土台はどんどん溶けていきます。そして、重度となると歯が抜け落ちてしまうのです。

歯周病は心筋梗塞や感染性心内膜炎、脳膿瘍などの原因になることもあります。全身疾患、そして生命の危機となる場合もあるのです。

②歯科→糖尿病

これも研究が進み、歯科医院で歯石を取ってクリーニングをしていると、糖尿病で大切な指標となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と呼ばれる2〜3ヶ月の血糖値の平均値が改善されることがわかりました。

すなわち、歯科と糖尿病とには密接な関係がある事が分かっています。これは、噂話とかではなく、大学で使う教科書にもきちんと掲載されています。

糖尿病にならないようにするには

それでは、糖尿病にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか。最初にお話ししましたが、糖尿病は生活習慣病の1つです。すなわち、日々の生活習慣が重要となります。バランスの良い食事をとり、運動も行うことが大切です。特に食事では食物繊維が重要となります。食物繊維は糖分が血液中に取り込まれる時、スピードを緩やかにする働きがあります。

適度な運動をすることにより、筋肉を動かして有酸素運動となり代謝が活発となります。その際、血液中の糖分も消費されて適切な糖分量となります。
また、かかりつけ医からお薬が出た場合には、決まった時に決まった量を飲むようにしましょう。
飲み物についても、お茶や0キロカロリーの飲料などを選ぶようにしましょう。

妊娠糖尿病

妊娠すると、赤ちゃんを育てるためにたくさんの食べ物を摂ることになります。お母さんはご飯を食べることも赤ちゃんを育てることに繋がります。ですので、それ自体には何ら問題はありません。
しかし、妊娠すると様々なホルモンの影響によってインスリンの働きが低下してしまいます。それによって高血糖の状態になることがあります。それが妊娠糖尿病です。母体や赤ちゃんにも影響が出ますので、しっかりとした対策が必要となります。出産後には元に戻ることもありますので、定期的な検診が必要となります。

血液中の糖分が少なくなると

お薬を飲んでいる方は特に注意が必要となります。血糖値が下がり過ぎてしまうと大変なことになります。冷や汗や寒気、震えなどが出てきます。そして不安感が大きくなってきます。更に血糖値が下がると、意識がもうろうとしてきて倒れてしまうこともあります。

低血糖発作と呼ばれるこの症状になると、生命の危機を迎えることもあります。いつもと違う身体の変化を感じた方は、炭水化物の含まれるジュースを飲み低血糖状態を脱するようにしましょう。

糖尿病連携手帳

糖尿病にて治療されている方には連携手帳というものが渡されます。そこには治療内容や検査結果を記入します。糖尿病内科の治療記録だけでなく、眼科の検査結果、そして歯科での検査結果と治療内容も記入します。ですので、お持ちの方はご持参ください。


糖尿病連携手帳には
治療内容・検査内容・指導内容について
ドクターが記入致します。
何かあった時に、すごく役立ちます

松浦歯科クリニックでは・・・

糖尿病予防も含め、松浦歯科クリニックでは予防に力を入れています。お口のクリーニングをして歯周病予防をすることは、糖尿病の予防や改善に繋がります。

また、糖尿病でお薬を飲んでいられる
方には細心の注意を払って治療を行います。お薬や麻酔など、注意すべき点が多々ありますので、糖尿病をお持ちの方は受付で申し出てください。その際、服用されているお薬や注射が書かれているお薬手帳、現在の検査結果をお持ちいただけるとスムーズに治療を行えます。


後藤田と患者さん(姪っ子です)

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