口腔がんの原因と治療法、歯科医院での発見 |なかもず松浦歯科医院

口腔がんの原因と治療法、歯科医院での発見

こんにちは、松浦歯科クリニック歯科医師の後藤田です。

今回は口腔がんについてお話をさせていただきます。

先日、堺出身の芸能人の方が口腔がんにかかりまして大変話題になりました。

ニュースやワイドショーでは、口腔がんのついて多く伝えられました。私はその頃に母校の大学病院にて勤務しておりましたが、口腔がんを心配する患者さんが押し寄せた記憶があります。皆さんにとって、口の中にがんが出来るなんてあまり想像できないと思います。

しかしながら、口腔内も体の一部ですので、出来てもおかしくありません。

ところで、がんはどのようにして出来るのかご存知でしょうか。

がんの成り立ち

人間は約70兆個の細胞から成り立っています。それぞれの場所によって様々な形をしていて、様々な役割を果たしています。細胞の中には核と呼ばれる中心にある丸いものがあり、その中には染色体というのがあり、更にその中にはDNAというものが入ってます。一度は耳にしたことがあると思います。DNAには遺伝に関する情報がたくさん詰まっています。両親に似るのは、このDNAの中にお父さんとお母さんの情報が入っているからなのです。親に似ること以外にも、それぞれの臓器や器官を作る情報が入っています。

例えば、DNAの中にある肺の情報を使うと、その細胞は肺で活躍する細胞になります。肝臓の情報だと、肝臓で活躍する細胞へと変身するというわけです。

DNAは非常に重要なものなので、遺伝子を使って色んなものを作るとき前にDNAのコピーを作って、そのコピーを使います。それをRNAといいます。
すなわち、料理の原本(DNA)を汚したらダメなので、コピー(RNA)を作って、それを元に料理を作るという感じです。

しかしながら、細胞も正確ではありません。中にはエラーを起こしてしまう細胞もあります。それががん細胞です。

がん細胞はDNAのエラーによって起こります。そして、エラーを起こしてがん細胞に変身してしまった細胞は、体の免疫機構によって攻撃され、消滅するのです。すなわち、どんな人間にもがん細胞は常に生まれ、そして消滅しているのです。

がん細胞を消滅させる機能がおかしくなってしまうと、どんどん増殖してしまいます。そうして、がんになってしまうのです。がん細胞の特徴は、無限に増殖することにあります。普通の細胞ですと、増殖できる限界があります。

細胞は分裂することによって増えていきます。この分裂には回数の限界があるのです。しかしながら、がん細胞には分裂の限界がありません。このこともエラーによって生じるのでしょう。さらに、がん細胞は他の臓器に移動していきます。これを転移といいます。

DNAのエラーの原因は様々なものがあります。化学物質、たばこ、放射線、ウイルスなどたくさんの要因があります。また、歯のとんがっている部分がいつも当たっていたり、よく誤って噛んでしまう部分もがんになりやすいと言われています。

口腔がんについて

さて、がんは様々なところに出来ます。有名なのは胃がん、大腸がん、乳がん、肺がんといったところでしょうか。しかしながら、口の中の粘膜にもがんはあるのです。有名なのは舌がんです。舌にできるがんで、舌の左右のへりに出来やすいです。
他には、歯茎や口腔粘膜などにも出来ることがあります。口内炎のように膨らんでいくものもあれば、潰瘍のように凹んで行くものもあります。

口腔がんは、がん患者さん全体の1%ほどです。しかしながら、子宮頸がんと同じ割合ですので、決して珍しいがんというわけではありません。


舌は色んな形をしています。
舌がんは舌の横の部分に出来やすいです

口腔がんの治療法

がんにかかってしまった場合、どのように治療するかですが、これはがんの大きさや転移の有無などによって異なります。

標準治療としては、手術となります。がんの部分とその周囲を切除します。舌ですと、一部、半分、全摘となります。がんの大きさによって異なります。

他に、放射線治療があります。がんの部分に放射線を当ててがん細胞を死滅させます。また、放射線を出す針を舌の中に埋め込んで、常に放射線をがん細胞に当てるという小線源療法という治療法もあります。

また、化学療法として薬や点滴をする方法もあります。点滴の場合、腕に点滴をすると抗がん剤が全身に回り、正常な細胞も死滅してしまうので、選択的動注化学療法というのがよく使われます。例えば、舌がんの場合、舌にながれこむ舌動脈という血管があります。

舌動脈に向けて点滴の管を入れて、直接薬剤を流し込みます。そうすることにより、ターゲットを絞ることが出来ますので副作用は小さくなります。また、最近ですとオブジーボと呼ばれる免疫に関するチェックポイントを操作してがんを治す薬ができました。

先日、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生が作り出しました。頭頸部がんに保険適応されました。非常に高価な抗がん剤としても有名になりました。健康保険を使うと1ヶ月の上限額が決まっていますので、実際に払う金額は高くありません。残りは健康保険から支払われます。

ノーベル医学生理学賞受賞
本庶佑先生

そして、意外かもしれませんが口腔がんの治療を行うのは医師だけでなく歯科医師も行います。歯科医師の中の口腔外科医が手術や化学療法、放射線療法を行います。歯学部ではがんの治療についても学びます。歯科医師は歯を治すだけでなく、手術なども行うのです。

患部に放射線を当てることにより
ターゲットに直接ダメージを与えます。

点滴や飲み薬で抗がん剤を投与し
がん細胞へ攻撃します。
選択的動注化学療法ですと
側頭部から点滴をします。

口腔がんと予後

がんと聞くと不治の病というイメージが強いと思います。

口腔がんの特徴としては、比較的予後は良いです。がんの大きさや転移の有無などにもよります。口腔がんの転移には特徴があり、肺転移が多いのが特徴です。がんの大きさ、隣接しているリンパ節への転移、他臓器への転移などによってがんは分類されております。

それによってステージ1からステージ4まで分類されます。ステージ1の早期発見の場合、5年生存率は95%前後と非常に高いのです。

ステージ4の最もレベルが高いものでも50%前後となっております。今後、オブジーボ等の新薬や他の治療法が開発されることにより、更なる5年生存率の上昇が見込まれます。がんになったら必ず命を落としてしまうような時代は終わりを迎えました。

顎義歯について

がんによって顎の一部を切除した場合、その欠損部分に特別な入れ歯を入れます。例えば、上顎の天井まで切除した場合には口と鼻が繋がってしまいますので、その穴を塞ぐように出来た入れ歯となります。他に、歯茎の土台の骨ごと切除した場合には骨の部分を再現した入れ歯となります。

切除した部分を蓋するようにして
鼻と口の間を塞ぎます

口腔がんと歯科医院

口腔がんは、肺や大腸などの内臓に出来るがんと決定的な違いがあります。口腔がんは見えるのです。見えるということは、早期発見が可能なのです。

口腔がんを発見しやすいのは、歯科医師です。歯科検診や歯科治療の際に口腔内を診るのは歯科医師です。
口腔がんと間違えやすいのは口内炎です。口内炎と口腔がんとは明らかに違いがありますので、不安な方は歯科医師までご相談下さい。

歯科医師は皆さんを
このような状態で診察します。
いち早く病変を見つけ出します。

覚えてもらいたいこと

皆さんに覚えてもらいたいことがあります。口内炎ができたかな?と思ったら、2週間様子をみてください。2週間経っても治らない時には、必ず歯科医院を受診してください。口内炎は2週間程度で治りますが、口腔がんは2週間では治りません。早期発見早期治療が大切です。ためらわずに受診してください。受診していただき、問題なければそれはそれで安心です。しかし、問題があるのであれば早期発見につながる可能性があります。その際は、病院歯科口腔外科をご紹介致します。

松浦歯科クリニックでは、虫歯だけでなく、歯周病や口腔がんまでチェック致します。いつでも、遠慮なくお気軽にご相談下さい。

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