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なかもず・中百舌鳥の歯科・歯医者

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ブラキシズム:歯ぎしりの原因と影響、治療について

こんにちは,なかもず松浦歯科・矯正歯科歯科医師の後藤田です。

夏真っ盛りとなりました。

暑い日が続いておりますが,熱中症には気をつけていらっしゃいますか?

暑い日が続くと汗だくになりますよね。
汗をかくと,体の水分が減少して脱水になります。
ただ,脱水になる前に喉が渇き,水分を補給します。
そうやって,熱中症にならないように身体がコントロールしているのです。

しかし、猛暑日のテレビニュースでは,必ず熱中症で何名が病院へ搬送されたと報道されています。その運ばれた患者の大半は高齢者です。

実は,高齢者は脱水に陥りやすく,熱中症を発症しやすいのです。
年を重ねてくると,だんだん汗をかきにくくなります。
汗をかかないので,喉も渇かず,水分補給を疎かにしがちになります。
ですが,汗をかかなくても,皮膚や呼気から常に水分が蒸気として放出されているんです。そして,気がつけば脱水になってしまうのです。

これを一般に「隠れ脱水」と言います。

暑くても,涼しくても,喉が渇いていなくても,こまめに水分補給をすることが大切です。それが,熱中症での脱水症状を防ぐ唯一の方法なのです。

学校保健に関する法律で,毎年6月30日までに歯科健診を終えなければならないと決まっているのはご存じですか?
お子さんが歯科健診の紙を持って帰ってきて,「治療が必要」と記載されていましたら,すぐに来院してください。
体の病気も,歯の病気も,病気は全て早期発見早期治療が大切です。

早く治療して,すっきりとしたお口で夏休みを迎えてもらいたいと思います。

さて,今回はブラキシズムについて,お話を致します。

ブラキシズムとは

ブラキシズムという言葉,皆さん聞いたことはございますか?
あまり耳慣れない言葉だと思います。

「歯ぎしり」と言われたら分かりますでしょうか?

ブラキシズムとは,歯ぎしりなどの総称です。
無意識でしてしまう,悪習癖なのです。

ブラキシズムの種類

ブラキシズムは,歯をギリギリさせるだけではありません。さまざまな種類がございます。

①グラインディング(歯ぎしり)

就寝時の無意識下で,上下の歯を擦り合わせてギリギリと言わせる習癖です。
調査によると,歯ぎしりは10〜20人に1人の割合で起こっていると考えられています。
しかしながら,なぜ歯ぎしりが起こってしまうのか,そのメカニズムは未だに解明されておりません。

②タッピング

覚醒時の無意識下で,上下の歯を速いスピードリズミカルに合わせます。
カチカチと音を立てる習癖です。

③クレンチング(食いしばり)

覚醒時の無意識下で,上下の歯を噛み締めてしまう習癖です。
正常な状態では,閉口時には上下の歯の隙間が3〜4mm空いているのが正常です。

ブラキシズムの原因

①ストレス

ストレスが一番の原因と考えられています。
ブラキシズムによって,ストレスを解消しているのではないかと考えられています。

②噛み合わせ

全体の歯がちゃんと噛み合っているといいのですが,例えば1本の歯だけが噛み合わせが高かった場合,その歯が歯ぎしりを起こしてしまうことがあります。

③習慣

普段から強く噛み込むことがあると,寝ている時にも同じように噛み込んでしまいます。それによって,歯ぎしりを生じさせてしまうことがあります。
また,飲酒や喫煙によっても歯ぎしりを引き起こすとも言われております。

④その他

詰め物や被せ物の高さがあっていない場合に起こることがあります。

ブラキシズムの影響

①歯の咬耗,摩耗

歯が削れてきます。ブラキシズムが進行すると,歯の噛む面が真っ平らになってしまいます。やがて,歯の白い部分(エナメル質)が削れてしまい,中の少し黄色い部分(象牙質)が見えてしまいます。そうなると,虫歯になりやすくなります。

②歯のくさび状欠損

歯の根元,歯茎のきわの部分が欠けてしまいます。
これは,歯に異常な力がかかると,歯茎のきわの部分にその力が伝わることによって欠けてしまいます。

③象牙質知覚過敏

くさび状欠損が生じると,歯の内部にある象牙質が露出されることがあります。そうなると,冷たいものにしみる知覚過敏を生じることがあります。
知覚過敏の特徴は,キーンという鋭痛で数秒程度で治まります。
その場合は虫歯でない可能性があり,お薬や歯磨き粉で緩和されます。

④歯の破折

歯に大きな力がかかると,歯が割れてしまいます。見えている部分が割れるのが歯冠破折,根っこが割れるのが歯根破折と言います。破折の位置によっては,抜歯となります。

⑤咀嚼筋痛

無意識で筋肉を使うことから,気がついた時に筋肉痛が生じることがあります。
ギュッと噛み締めた時に,ほっぺたがぽこっと膨らみます。その筋肉を咬筋と言いますが,筋肉痛を生じたときはブラキシズムを疑います。

⑥顎関節症

顎の関節に負荷がかかり,痛みが生じることがあります。
また,開閉口時に「カクッ」や「ギリッ」という音が鳴ることもあります。
ひどくなりますと,口を開けることができなくなります。

⑦睡眠時無呼吸症候群

顎関節症によって,顎関節の位置異常が生じてしまった場合,睡眠時無呼吸症候群が生じる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは,睡眠時における無呼吸の回数が増える病気です。それによって,昼間に耐え難い睡魔が襲うなどの症状が出ます。

⑧偏頭痛

噛むために使う筋肉,実は側頭部にもあるんです。
頭のサイドを触って,ぎゅっと噛み締めてみてください。こめかみから耳の上にかけて頭の表面が動くと思います。その筋肉を側頭筋と言います。
こちらもブラキシズムによって筋肉痛を生じます。それにより偏頭痛を起こすことがあります。

⑨詰め物や被せ物の脱離
虫歯治療などで詰めたものや被せたものに大きな力がかかることによって,外れやすくなってしまいます。

ブラキシズムの治療

グラインディング(歯ぎしり)の治療では,スプリント療法を用います。
上顎にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着して就寝していただきます。
歯ぎしりが生じた時に,歯が削れる代わりにナイトガードが削れてくれます。
それにより,歯や詰め物,被せ物を守ってくれます。
また,顎関節や咀嚼筋を休ませることができます。

ただし,成長期で使用できません。ナイトガードを装着することによって,成長を押さえつけてしまうからです。

あとは,習癖除去やマッサージ療法となります。

覚醒時ブラキシズムであるタッピング(カチカチする)やクレンチング(食いしばり)などは,気づいた時にやめるように心掛けることが大切です。これらは,無意識でされていることが多いですが,ふと気づいた時にはやめるようにしましょう。
気づかないようであれば,壁に「歯の癖をやめる」などと書いた紙を貼り付けて,目に入った時に確認するといいです。

なかもず松浦歯科・矯正歯科では,スプリント療法を積極的に行なっております。
特に,睡眠時の歯ぎしりを一度でも指摘された方は,今ある歯を守るためにもナイトガードを装着して寝ていただきたいと思います。

なかもず松浦歯科・矯正歯科のナイトガードは外面が硬質,内面が軟質の2層構造となっておりますので,装着時の歯への締め付け感はかなり小さく,違和感も比較的小さいものとなります。

また,ナイトガードは健康保険適応であり,半年ごとに新しく作り替えることができます。

いつでも,ご相談を受け付けておりますので,お問合せください。

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